免疫力を高めるための栄養成分小事典

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中鎖脂肪酸の免疫力効果

中鎖脂肪酸の効果・効能

 中鎖脂肪酸の主な免疫力効果は、脂肪の蓄積を抑制する効果、脳の機能の向上、糖尿病を予防する効果などがあります。

 中鎖脂肪酸とは、脂の修正分である脂肪酸のうち、炭素同士の二重結合を持たない飽和脂肪酸のうちの一つを指します。飽和脂肪酸は炭素を結ぶ鎖の長さによって種類が変わり、短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の3つに分けられています。

 短鎖脂肪酸とは炭素数が6個以下の脂肪酸のことで、酪酸やカプロン酸などがあり、バターや乳製品に豊富に含まれています。長鎖脂肪酸は炭素数が12以上の脂肪酸で、牛や豚の脂に多いミリスチン酸やパルミチン酸や、落花生の油に多いアラキジン酸があります。

 その中間の中鎖脂肪酸は炭素数が8~12程度の脂肪酸のことで、ラウリン酸やカプリル酸、カプリン酸に代表され、主に母乳や牛乳、ココナッツオイル、パーム油などに豊富に含まれています。主な働きはエネルギーの生成です。

 また、中鎖脂肪酸は消化・吸収のために胆汁酸を必要としないため、そのまま小腸の細胞に吸収され、門脈を経て直接肝臓へと運ばれるという性質があります。

 一方長鎖脂肪酸は、体内に入るとリンパ管や静脈を通って脂肪組織や筋肉、肝臓などに運ばれていき、必要に応じてエネルギーへと分解されます。その分、エネルギーが余ってしまうと脂肪として体内に蓄積されやすいとされています。

 中鎖脂肪酸は肝臓で素早く分解されるので、効率よくエネルギーとして利用されやすく、脂肪酸の中で最も脂肪になりにくいと言われています。そのため体内に余計なエネルギーをため込まないため、余計な脂肪の蓄積を防いで生活習慣病を予防してくれます。

 それに加えて中鎖脂肪酸には、糖尿病を予防する働きがあるホルモン「アディポネクチン」を増やす働きがあるとされており、中鎖脂肪酸を摂取することによって糖尿病などの生活習慣病予防に対する効果が期待されています。

 そのほか中鎖脂肪酸の一種である「ラウリン酸」には、細菌の働きを抑える抗菌作用などによって免疫力を高める働きがあるとして、注目を集めています。元々ラウリン酸は母乳に含まれている脂肪酸であり、免疫力を持たない赤ちゃんの免疫力を高める働きがあるとされていますが、ココナッツオイルなどにも豊富に含まれています。

 さらにラウリン酸は体内で、様々な感染病原体から免疫系を保護する働きがある抗菌物質「モノラウリン」に変化するとされています。モノラウリンは、ウイルスの脂質膜や細菌、原虫類を死滅させるので、風邪やインフルエンザの治療に役立つと言われています。

 また、中鎖脂肪酸はアセト酢酸、βヒドロキシ酪酸、アセトンの総称である「ケトン体」を効率よく作り出すことが知られています。

 脳のエネルギー源は主にブドウ糖だとされていますが、ブドウ糖が不足すると代わりに肝臓が体内の脂肪を使って特別な脂肪を作り出すとされます。その特別な脂肪のことを「ケトン体」と言い、ブドウ糖に代わる脳の第二のエネルギー源になります。

 このケトン体は長鎖脂肪酸や短鎖脂肪酸よりも中鎖脂肪酸から最も効率的に作られるとされていますが、ケトン体は記憶力の低下を抑制してアルツハイマー病を予防する効果があるとされており、ケトン体中のβヒドロキシ酪酸も脳の認知機能を保つ働きがあると言われています。

 そのため中鎖脂肪酸の脳機能を改善する効果に期待が高まっています。

 中鎖脂肪酸を豊富に含んでいる主な食べ物には、ココナッツオイル、パーム油、牛乳などがあります。

 過剰に摂取した場合の重篤な副作用の報告はありませんが、過剰摂取しても健康を増進する効果は見込めないそうです。